魔法少女リリカルなのはA's ‐Extra‐

【Episode.5 約束】
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崩壊した世界。それは、以前と何の変わりもなくそこにあった。
倒壊したビル、光を亡くした街、人の気配の全くしない、寂れた世界。
そんな世界を、結城となのはは飛んでいた。

周りを見渡しながら、何か怪しいところはないか、魔力反応がないかを確認する。
だが、それらしいものは、一向に見つからない。
なのはは、

「やっぱり……誰もいないね」

と言った。
結城はうなずく。

「確かに、あのゾンビすらいないな……」

その後も、探してはみたものの、やはり近辺に敵らしき姿はない。
が、静かすぎるのも異様だ。
それはなのはも感じたらしく、集中を切らしていることはない。
結城は、もう少し遠くへ行こうとも思ったが、あまり遠くへ行くと、アースラが無防備になってしまう。
それは、流石にまずい。

「一度戻ろうか?」

「そうだな……。出てこないならそれが一番いい」

結城の言葉に、なのはは頷く。
戻ろうとしたときだった。

『“The attack is approaching.”』
(攻撃接近中)

「……攻撃!?」

レイジングハートがそう告げる。
なのはは振り返り、構えた。

「なのは! 右だ!」

なのはの右方、幾つもの魔力球がなのはに迫っていた。
だが、なのはは落ち着いた様子でそれに対処した。

『“Round Shield”』

レイジングハートの結晶体が光り、なのはの手元に円形のシールドが現れる。
魔力球のほとんどはそのシールドに防がれ、残りもなのはに当たることなく通り過ぎて行った。
その攻撃がやんだ後、なのはは確認するように、

「攻撃の威力から見ても、最高でBランク級……。そんなに警戒しながら戦う必要はないけど、数が多いから油断はしないで」

と言った。
数が多い……そう聞いて、結城は攻撃が来た方向を見た。
そこには、前回戦闘したゾンビ達の姿。
結城はうなずく。

「あぁ、わかった」

それにしても、今の攻撃で、相手の数、ランク級まで読んだというのだろうか?
やはり、エース・オブ・エースの名は侮れないらしい。

なのはは、カートリッジ一発をロード。
そのデバイスの球体を光らせる。

「じゃあ、私は右から、結城くんは左から、敵をなぎ払っていこう」

「わかった。気をつけて」

「結城君もね」

二人は同時に左右に別れ、両端に回り込んだ。
両方から挟み撃ちに敵を追い込み、逃げ場を限定する方法だ。
狭い道で本領を発揮する戦略だが、今は贅沢を言ってはいられない。
結城はスピードを上げて敵陣に突っ込んだ。

「行くぞ、ヒートレンド!!」

『“Slash form”』

ヒートレンドの柄が展開する。
リーチを伸ばし、横ぶりに斬りかかった。

「(いくら斬ってもまた動き出すなら、その移動手段である足をやればいい……!)」

ゾンビ達の足を、ヒートレンドが切断する。
再生することはない。
そのままバランスを崩すと、その場に倒れた。しかし、やはり死ぬことはない。腕を使って、ゆっくりこちらへと向かってくる。

だが、その遅い動きでは、攻撃の的であるも同然。

『“Blue spear”』

「ゴーッ!!」

槍状の魔力弾がゾンビを串刺しにする。
それだけでは終わらない。

『“Blue bullet”』

マシンガンのように魔力球を撃ちつけられ、ゾンビの体のいたるところが吹き飛ぶ。
もはや、人型であったのかすら怪しい様だ。
それでも残っているゾンビはかなりの数だ。
前回の二倍……いや、三倍はいる。
結城はちっ、と舌打ちすると、ヒートレンドに支持を出す。

「ヒートレンド! ヒートフォーム!」

『“Heat Form”』

柄が収縮、通常の形態になったヒートレンドの剣先に、光が集まる。
それは、少しずつ大きさを増していく。

結城「インパルス……バスターぁぁぁぁあ!!」

円形の陣がその光の前に展開する。
結城の高威力砲撃魔法、インパルスバスターだった。

広範囲に光が迸る。
衝撃と爆発、その両方がゾンビ達を吹き飛ばしていった。


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