1/11ページ目 7月31日 12時30分 管理局 食道 「今回の事件の捜査が、任された?」 と、結城。口に運ぼうとした箸を止め、相手に聞き返す。 その相手は、クロノだった。 昼食中、一人で食事をしていた隣に彼が来て“今回の事件の捜査を、僕たちスタッフが任された”と言ったのだ。 聞き返してくる結城に、クロノはうなずいて答える。 「あぁ。だから、あの女の子も、民間協力者としてここにおくことができるよ」 それを聞いて、結城はふぅ、と安堵の息を吐いた。 これで、不安の一つは消えたことになる。 しかし、確かに喜ばしい報告ではあるのだが、結城はあることが気になっていた。 「だけど……何で捜査部隊の指名に、こんな時間がかかったんですかね?」 すでに事件発生から、もうすぐ一週間がたとうとしている。 その間、クロノが何度も申請をしてもなかなか決定はしなかった。 ただ捜査部隊を決めるだけだというのに、なぜこれだけ時間がかかったのか。 その質問に、クロノは苦笑して答える。 「簡単な理由だよ。管理局内に敵が潜んでいるのなら、下手な部隊に調査を任せるわけにはいかないんだ。その部隊の中に潜んでいないとも、限らないしね」 「なるほど……」 結城は納得するようにうなずく。 「まぁ、とにかく捜査権はもらったわけだ。早めに動いて、この事件を終わらせよう」 クロノはそう言って微笑した。 結城は頷く。 これで父親の仇が討てる、そう思っていた。 それに、あの艦船の事件のこともある。 そういえば、結局あの艦船はどうなったのか。 そのことについて、聞こうとしたときだった。 「あれ? 結城くん?」 「それに、クロノも……」 後ろから聞こえる、二人の声。 結城は振りかって、その姿を確認する。 そこにいたのは、なのはと、フェイトだった。食事が乗ったトレーを持っているところを見ると、これから二人で食事なのだろう。 管理局にいても仲良しぶりは変わらないようだ。 「今回の事件の捜査を、オレ達が任された……ってことを、クロノ艦長から聞かされたところだよ」 と、結城。 二人が、期待に満ちた表情をする。 「じゃあ……」 その期待にこたえるように、クロノはうなずく。 「あぁ。あの子のことは、大丈夫だろう」 それを聞いた二人が、わっと喜ぶ。 なのは達も、やはりハルカのことに関しては心配だったようだ。 実際この数日間、彼女達はよくハルカに会いに、結城の部屋へ来ていた。 そんな二人が喜ぶ中、クロノが言葉を続ける。 「それで出発なんだが……明後日には、動き出したい」 明後日……準備をするには、時間は十分だ。 確かに十分だが、 「また急ですね」 と、結城は言った。 クロノは頷く。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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