魔法少女リリカルなのはA's ‐Extra‐

【Episode.4 見えてくる敵】
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7月31日 12時30分
管理局 食道

「今回の事件の捜査が、任された?」

と、結城。口に運ぼうとした箸を止め、相手に聞き返す。
その相手は、クロノだった。
昼食中、一人で食事をしていた隣に彼が来て“今回の事件の捜査を、僕たちスタッフが任された”と言ったのだ。
聞き返してくる結城に、クロノはうなずいて答える。

「あぁ。だから、あの女の子も、民間協力者としてここにおくことができるよ」

それを聞いて、結城はふぅ、と安堵の息を吐いた。
これで、不安の一つは消えたことになる。
しかし、確かに喜ばしい報告ではあるのだが、結城はあることが気になっていた。

「だけど……何で捜査部隊の指名に、こんな時間がかかったんですかね?」

すでに事件発生から、もうすぐ一週間がたとうとしている。
その間、クロノが何度も申請をしてもなかなか決定はしなかった。
ただ捜査部隊を決めるだけだというのに、なぜこれだけ時間がかかったのか。

その質問に、クロノは苦笑して答える。

「簡単な理由だよ。管理局内に敵が潜んでいるのなら、下手な部隊に調査を任せるわけにはいかないんだ。その部隊の中に潜んでいないとも、限らないしね」

「なるほど……」

結城は納得するようにうなずく。

「まぁ、とにかく捜査権はもらったわけだ。早めに動いて、この事件を終わらせよう」

クロノはそう言って微笑した。
結城は頷く。
これで父親の仇が討てる、そう思っていた。
それに、あの艦船の事件のこともある。

そういえば、結局あの艦船はどうなったのか。
そのことについて、聞こうとしたときだった。

「あれ? 結城くん?」

「それに、クロノも……」

後ろから聞こえる、二人の声。
結城は振りかって、その姿を確認する。
そこにいたのは、なのはと、フェイトだった。食事が乗ったトレーを持っているところを見ると、これから二人で食事なのだろう。
管理局にいても仲良しぶりは変わらないようだ。

「今回の事件の捜査を、オレ達が任された……ってことを、クロノ艦長から聞かされたところだよ」

と、結城。
二人が、期待に満ちた表情をする。

「じゃあ……」

その期待にこたえるように、クロノはうなずく。

「あぁ。あの子のことは、大丈夫だろう」

それを聞いた二人が、わっと喜ぶ。
なのは達も、やはりハルカのことに関しては心配だったようだ。
実際この数日間、彼女達はよくハルカに会いに、結城の部屋へ来ていた。

そんな二人が喜ぶ中、クロノが言葉を続ける。

「それで出発なんだが……明後日には、動き出したい」

明後日……準備をするには、時間は十分だ。
確かに十分だが、

「また急ですね」

と、結城は言った。
クロノは頷く。


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