魔法少女リリカルなのはA's ‐Extra‐

【Episode.3 貫きの刃】
1/7ページ目


7月28日 12時00分
時空管理局 本局内

結城が初の任務を無事に終わらせ、本局での生活がスタートしてから早3日目。
例の事件――ライフ脱獄についての進展は未だになかった。
それどころか、どこの部隊に捜査をさせるか、とういうことすら決まっていないのだという。
クロノ自身も何度か申し出をしているらしいが、返事はなし。そのままの状態が、三日も続いていた。

そして、最初の予想通り、管理局勤めだしたばかりの結城に与えられる仕事は、どれもデスクワークばかり。
体を動かすような仕事は、ほとんどなかった。

このままでは、体が鈍ってしまう。そう思った結城は、立ちあがった。

なのは達の話では、局内には魔導師達が互いの実力を高めあえるように、模擬戦場……つまりトレーニングルームがあると言う。
行ったこともなければ、当然、見たこともない。
今後利用することがあるかもしれないのだから、一度見学くらいはしておくのもいいかもしれない。
結城はハルカが眠っているのを確認すると、部屋を後にした。


さて、局内の人に場所を聞いて、早速そのトレーニングルームの近くまで来たわけだが、なにやら音が響いている。
爆音……だろうか。
その音のする方を見る。そこには結界が張られた、お目当てのトレーニングルームあった。

何の音かと、結城はその部屋を覗いた
その中を見て、結城は開いた口がふさがらなかった。

トレーニングルーム内では、すでに誰かが模擬戦を解しているらしく、二人の魔導師が、その力をぶつけ合っていた。

「あれ? もしかして……」

そのうちの一人、漆黒のデバイスを持ち、白と黒いバリアジャケットに身を包む少女を、結城をよく知っていた。

――そう、フェイトだ。

フェイトは攻撃を一度かわすと、距離をとって相手の方を見る。

「流石ですね……シグナム」

と言った。
シグナムと言われた女性は剣型のデバイスを構え、不敵に微笑んむ。

「テスタロッサ、お前もな」

その言葉にフェイトもバルディッシュを構える。
静かな部屋には、同時に緊迫した空気が流れていた。

やがて、その静寂を切り裂き、フェイトから仕掛けた。

『“Haken Form”』

カートリッジ一発を打ちこみ、バルディッシュの上部にあったフレームが展開。
鎌へと形を変えた。

スピードを上げ、シグナムに斬りかかる。

「はあぁぁぁぁぁぁあ!!」

が、それは空を斬る。シグナムは攻撃をかわし、空中から仕掛けてきていた。
それを初めから予測していたように、フェイトは体をひねらせ、斬りかかり、デバイス同士をぶつけた。
鍔迫り合いはやはり剣のシグナムが強い。
少しずつフェイトは押されていくが、突然バルディッシュで、横に切り払う。
シグナムは、一旦後退。
距離が出てきたところにフェイトは叫ぶ。

「ハーケンセイバー!!」

『“Haken Saber”』

投げられた光の刃が、円形に姿を変える。それと同時に再び刃を構成。
さらに攻撃を仕掛けた。

爆音とともにトレーニングルームが揺れる。

やがて、煙の晴れたその場には、再びデバイスをぶつけあう二人の姿。
フェイトの攻撃は、完全に防がれていた。
結城は、フェイトの戦闘を見るのは初めてだったが、かなりの実力があるというのは知っている。
が、そのフェイトの攻撃を防ぎ、攻撃に回ることの実力……。
結城は、もはや感心のため息しか出なかった。

結局、20分以上交戦していたが、勝負がつくことはなかった。




[指定ページを開く]

次n→ 

<<重要なお知らせ>>

@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
@peps!・Chip!!は、2024年5月末をもってサービスを終了させていただきます。
詳しくは
@peps!サービス終了のお知らせ
Chip!!サービス終了のお知らせ
をご確認ください。




w友達に教えるw
[ホムペ作成][新着記事]
[編集]

無料ホームページ作成は@peps!
無料ホムペ素材も超充実ァ