1/11ページ目 8月25日 3:20 第97管理外世界 地球 桐野家 静かな空間が、そこにあった。 いるのは結城一人。 夜でもないのに、その部屋の明かりはついていない。 塞ぎきった空間。 切り離された空間。 それが、ここにあった。 誰も近寄れないし、近寄ろうともしない。 近寄ってはならないと、そう感じさせる何かが、ここにあるのだ。 母親の里見すら、声が掛けられない状態だった。 だが、そんな場所に、近づく姿があった。 ・・・なのは、フェイト、はやてだ。 扉を叩き、結城の反応を待つ。 なのは「・・・結城くん?私だよ、なのはだよ」 ゆっくりと扉が開く。 中から、ゆっくりと姿を見せた結城。 やはりと言うか、やつれた表情だった。 結城「・・・何か用?」 はやて「用・・・ってほどでもないんやけど。少し、散歩せぇへん?外、すごくいい天気なんよ!」 明るく言うはやて。 が、結城の反応は、やはり短いものだった。 結城「ごめん、そう言う気分じゃないから・・・」 フェイト「いつまでもそうしてたら、体にも悪いよ・・・。食事もしてないって結城の母さん言ってたし・・・」 結城「それは・・・」 はやて「とにかく、外の空気吸うくらいはせぇへんと!」 なのは「そうだよ!」 はやてとなのははそう言って急に結城の手を引いて走り出した。 いきなりのことに、結城は驚いた表情をしたまま、そして、何が起きたのかわからない状態のまま外へ出たのだった。 結城「ちょっ・・・!どこへ・・・!?」 なのは「どこでもいいよー!」 はやて「とりあえずダッシュや!ダッシュ!」 結城「どうして!?」 フェイト「気分、だよ、結城」 にっこり笑うフェイト。 結城はそれをぽかんとした表情で見た。 が、少しづつ、その表情が緩んでくる。 結城「そっか・・・気分・・・か」 はやて「そうや!気分や!」 相変わらず走るのをやめず、結城の手を引いたままこの小さな街を駆け抜けるはやてとなのは。 結城は、そんな二人に置いて行かれないよう、必死に走った。 弾む呼吸。 体を抜ける風。 夏の日差し。 木々からの木漏れ日。 大好きなこの街を、駆け抜ける。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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