魔法少女リリカルなのはA's ‐Extra‐

【Episode.20 支えあう者たち】
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8月25日 3:20
第97管理外世界 地球 桐野家

静かな空間が、そこにあった。
いるのは結城一人。
夜でもないのに、その部屋の明かりはついていない。

塞ぎきった空間。

切り離された空間。

それが、ここにあった。

誰も近寄れないし、近寄ろうともしない。
近寄ってはならないと、そう感じさせる何かが、ここにあるのだ。
母親の里見すら、声が掛けられない状態だった。
だが、そんな場所に、近づく姿があった。

・・・なのは、フェイト、はやてだ。

扉を叩き、結城の反応を待つ。

なのは「・・・結城くん?私だよ、なのはだよ」

ゆっくりと扉が開く。
中から、ゆっくりと姿を見せた結城。
やはりと言うか、やつれた表情だった。

結城「・・・何か用?」

はやて「用・・・ってほどでもないんやけど。少し、散歩せぇへん?外、すごくいい天気なんよ!」

明るく言うはやて。
が、結城の反応は、やはり短いものだった。

結城「ごめん、そう言う気分じゃないから・・・」

フェイト「いつまでもそうしてたら、体にも悪いよ・・・。食事もしてないって結城の母さん言ってたし・・・」

結城「それは・・・」

はやて「とにかく、外の空気吸うくらいはせぇへんと!」

なのは「そうだよ!」

はやてとなのははそう言って急に結城の手を引いて走り出した。
いきなりのことに、結城は驚いた表情をしたまま、そして、何が起きたのかわからない状態のまま外へ出たのだった。

結城「ちょっ・・・!どこへ・・・!?」

なのは「どこでもいいよー!」

はやて「とりあえずダッシュや!ダッシュ!」

結城「どうして!?」

フェイト「気分、だよ、結城」

にっこり笑うフェイト。
結城はそれをぽかんとした表情で見た。
が、少しづつ、その表情が緩んでくる。

結城「そっか・・・気分・・・か」

はやて「そうや!気分や!」

相変わらず走るのをやめず、結城の手を引いたままこの小さな街を駆け抜けるはやてとなのは。
結城は、そんな二人に置いて行かれないよう、必死に走った。

弾む呼吸。

体を抜ける風。

夏の日差し。

木々からの木漏れ日。

大好きなこの街を、駆け抜ける。


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