魔法少女リリカルなのはA's ‐Extra‐

【Episode.14 思い出の眠る地】
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目が覚める。
現在時刻は5時前。
普段なら7時ごろに起きると言うのに、ずいぶん早くに目が覚めたものだ。
もう一度寝ようと思えば寝ることができるのだが、体がすっかり活動を開始してしまい、それは無理になったようだ。
結城はまだ寝息を立てながら眠るハルカを残し、一人シャワールームへ向かった。

考えてみたら、昨日はずいぶん早くに眠ってしまったような気がする。
それを考えれば、今の時刻に起きたのも、納得がいくというものだ。

シャワーの栓を止め、ラフな格好になってシャワールームを後にする。
部屋に戻ると、まだハルカは眠っていた。

結城「少し、留守番頼むな」

結城はそれだけ言い残し、服を着替えると、トレーニングルームへ向かった。



朝の、それも5時のトレーニングルームには、やはり誰もいない。
静かな空気が流れていた。

昨日の戦闘から、まだ警戒態勢は解除されていないらしく、たまに警備をしている局員がルームの前を通って行った。

結城はルーム内に入る。
ポケットからヒートレンドを取り出した。
スタンバイからヒートフォームへ切り替える。
その姿は昨日のまま、相変わらずぼろぼろだった。

結城「本当に、悪いことしたよな・・・」

いくら誰かを守るためとはいえ、相棒をここまでボロボロにしてしまったのだ。
罪悪感を感じずにはいられない。
ぼろぼろのフレームを、結城は親指で軽くなでた。
ざらざらした肌ざわり。
どれだけボロボロになったのかがわかる。

自分のために、命を投げ出すと言ったヒートレンド。
その言葉通り、デバイスの機能を失うくらいにボロボロになって、それでも力がない自分が悪いのだと、そう言った。
結城にとっては父親の形見である以上に、相棒だ。

今までも、短い期間とはいえ、命をともにして戦ってきた。
互いに守りあい、力を貸しあい、そして、傷つきあった。

・・・守ことができるなら、今度は、互いが傷つかぬように。

そのために、自分の記憶探しをしよう。
最初は、ただフレームを直すために研究所へ向かおうと思っていた。
でも今は違う。
昔の結城、セカンドとしての結城の実力は、記憶を戻せば、それと同時に戻るはずだ。
もし、かつての結城が本当にかなりの実力者だったのなら、その実力なら皆を守れるのだ。
ヒートレンドも、ハルカも、セリナも、なのはやフェイト、はやてだって。
少なくとも力になれる。
大切な人は、いつだって傷ついてた。
代わりに自分が守られて。

だから、今度は自分が守るために。

結城はヒートレンドをポケットにしまう。
時間は相変わらず5時頃。
トレーニングルームから出た結城は、そのままユリアのもとへ向かった。




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