魔法少女リリカルなのはA's ‐Extra‐

【Episode.7 再戦の宴】
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結城はただ、走り続けていた。
あてがあるわけではなかったが、とにかく走っていた。
何もしないよりは、見つかる可能性は高い。

もし何かわかれば、クロノから連絡もはいるだろう。
とにかく、今はこうして走って見回るほか、することがなかった。

とは言ったものの、犯人の顔も手口も理解していないものだから、実に探にくいことは確かだ。

まぁ、ハルカはデバイスを持っているわけで、仮に何かあっても、魔法を使用してくれれば、その魔力反応を追っかけることもできる。
問題は、ここは管理局付近なわけで、当然魔導師もたくさんいる。
つまり、どれがハルカの魔力かわかりずらいということだ。
そもそも、彼女が魔法を使ったことがないのも、大きな問題だが。

結城「何より無事が一番だけどな・・・!」

大分息も上がってきていた。
走り出してからすでに20分は全力疾走しっぱなしだ。
いくら普段から鍛えてるとは言っても、きついものはきつい。
止まりたくはなかったが、流石に体力と足に限界がきたのか、その場で立ち止まり、膝に手を当てて呼吸を整え始めた。

肩が激しく上下する。
汗もかなりのものだった。

しかし、これだけ走っても見つからないのなら、すでに遠くへ行ってしまったのかもしれない。
そんな考えすら頭を横切った。

いくらあてずっぽうに走っていたとはいえ、局内からその周辺まで、ずいぶん探しまわった。
それでも見つからないのでは、そのあ可能性も高い。

結城は一度大きく呼吸すると、キッと正面を見据え、再び走り出した。




クロノ「・・・そうか、まだ尻尾はつかめないか」

エイミィと共に、局内にあるモニター室でいろいろと網を張ったわけだが、今のところ何の情報も入っておらず、状況は進展を見せていなかった。

エイミィ「もう網を張ってからずいぶん経ってる。遅かったのかな・・・」

クロノ「なのは達にも捜査を頼んだし、網も次元単位で張ったんだ。そう簡単に抜けられるものじゃないよ」

エイミィ「そうなんだけどね。流石に何の反応もないとね・・・ぇ?」

あるモニターにエイミィの視線が止まった。
それに気づいたクロノも、そのモニターに目を向けた。

二人の表情が固まる。

エイミィ「クロノくん・・・これ・・・」

クロノ「・・・全員集めてくれ。緊急の会議を行う」

クロノの言葉に、エイミィは頷いた。
局内放送、通信、あらゆる手段でなのはたちを呼び出した。
当然それは、結城の荒れた部屋で状況をまとめていたセリナにも届いた。

セリナ「・・・了解しました」

念話でクロノから連絡をセリナは受けた。
結城は今局内にはいない。
彼にこの知らせを伝えられるのは、セリナだけだ。

セリナ『・・・結城さん、聞こえますか?』

念話で結城に連絡を取る。

結城「セリナか?クロノ艦長は、何て?」

セリナ『これから緊急会議が行われます。アースラ所属の魔導師は、局内の第二モニター室へ集合だそうです』

結城「モニター室・・・?クロノ艦長、何かつかんだんだ。流石だな!」

結城は方向転換。
モニター室へ向かって、再び全力疾走を始めた。



モニター室では、すでに結城以外のメンバーが集まっていた。
まだ、モニターには何も映されていないため、何のために集められたのかは、わからない。

なのは「結城くん、遅いね・・・」

遅くなっている結城に、なのはは心配そうな表情と声で言った。

フェイト「何してるのかな・・・?」

シグナム「一番張り切っていたやつだ、心配はいらん」

心配している者に比べ、シグナムはいたって冷静だった。
もともと慌てるような性格ではないし、会議に遅れたくらいで心配することでもない。

やがて、勢いよく扉が開かれた。



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