1/10ページ目 結城はただ、走り続けていた。 あてがあるわけではなかったが、とにかく走っていた。 何もしないよりは、見つかる可能性は高い。 もし何かわかれば、クロノから連絡もはいるだろう。 とにかく、今はこうして走って見回るほか、することがなかった。 とは言ったものの、犯人の顔も手口も理解していないものだから、実に探にくいことは確かだ。 まぁ、ハルカはデバイスを持っているわけで、仮に何かあっても、魔法を使用してくれれば、その魔力反応を追っかけることもできる。 問題は、ここは管理局付近なわけで、当然魔導師もたくさんいる。 つまり、どれがハルカの魔力かわかりずらいということだ。 そもそも、彼女が魔法を使ったことがないのも、大きな問題だが。 結城「何より無事が一番だけどな・・・!」 大分息も上がってきていた。 走り出してからすでに20分は全力疾走しっぱなしだ。 いくら普段から鍛えてるとは言っても、きついものはきつい。 止まりたくはなかったが、流石に体力と足に限界がきたのか、その場で立ち止まり、膝に手を当てて呼吸を整え始めた。 肩が激しく上下する。 汗もかなりのものだった。 しかし、これだけ走っても見つからないのなら、すでに遠くへ行ってしまったのかもしれない。 そんな考えすら頭を横切った。 いくらあてずっぽうに走っていたとはいえ、局内からその周辺まで、ずいぶん探しまわった。 それでも見つからないのでは、そのあ可能性も高い。 結城は一度大きく呼吸すると、キッと正面を見据え、再び走り出した。 クロノ「・・・そうか、まだ尻尾はつかめないか」 エイミィと共に、局内にあるモニター室でいろいろと網を張ったわけだが、今のところ何の情報も入っておらず、状況は進展を見せていなかった。 エイミィ「もう網を張ってからずいぶん経ってる。遅かったのかな・・・」 クロノ「なのは達にも捜査を頼んだし、網も次元単位で張ったんだ。そう簡単に抜けられるものじゃないよ」 エイミィ「そうなんだけどね。流石に何の反応もないとね・・・ぇ?」 あるモニターにエイミィの視線が止まった。 それに気づいたクロノも、そのモニターに目を向けた。 二人の表情が固まる。 エイミィ「クロノくん・・・これ・・・」 クロノ「・・・全員集めてくれ。緊急の会議を行う」 クロノの言葉に、エイミィは頷いた。 局内放送、通信、あらゆる手段でなのはたちを呼び出した。 当然それは、結城の荒れた部屋で状況をまとめていたセリナにも届いた。 セリナ「・・・了解しました」 念話でクロノから連絡をセリナは受けた。 結城は今局内にはいない。 彼にこの知らせを伝えられるのは、セリナだけだ。 セリナ『・・・結城さん、聞こえますか?』 念話で結城に連絡を取る。 結城「セリナか?クロノ艦長は、何て?」 セリナ『これから緊急会議が行われます。アースラ所属の魔導師は、局内の第二モニター室へ集合だそうです』 結城「モニター室・・・?クロノ艦長、何かつかんだんだ。流石だな!」 結城は方向転換。 モニター室へ向かって、再び全力疾走を始めた。 モニター室では、すでに結城以外のメンバーが集まっていた。 まだ、モニターには何も映されていないため、何のために集められたのかは、わからない。 なのは「結城くん、遅いね・・・」 遅くなっている結城に、なのはは心配そうな表情と声で言った。 フェイト「何してるのかな・・・?」 シグナム「一番張り切っていたやつだ、心配はいらん」 心配している者に比べ、シグナムはいたって冷静だった。 もともと慌てるような性格ではないし、会議に遅れたくらいで心配することでもない。 やがて、勢いよく扉が開かれた。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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